アメリカはなぜ空き家が少ないのか?

日本は空き家が増加している

皆さんがご存じのように日本の空き家は増加傾向にあります。
2018年の最新の空き家率は13.6%であり、1963年の2.5%から10%以上増加しています。

日本で空き家が増えている理由としては①少子高齢化の影響、②人口減少、③新築が市場の中心、という事情が考えられます。

①少子高齢化の影響

少子高齢化は空き家の増加にどのように関わっているのでしょうか。

総務省の調査(2018年)によると高齢者の持ち家率は82.1%と高い水準となっています。

これに対して、その子供世代にあたる40代~50代の持ち家率は、概ね60%前後で推移しています。

 

そのため、親の不動産相続が発生した時点で、すでに自分もマイホームを所有している場合が多く、結果的に親の所有している不動産が空き家になってしまう事態に陥っています。

空き家活用インタビュー 大阪府 在住 S様(60代男性)

②人口減少

総務省の情報通信白書より

日本では人口減少が続いており、総務省の情報通信白書によると、2050年ごろには日本の総人口は1億人を下回ることが予測されています。

このような状況にも関わらず日本では新築住宅の供給が続いており、結果として古い物件が空き家化するという事態につながっています。

③新築が市場の中心

日本人は新築を持っていることがステータスであり、ある程度の年齢を重ねた大人であれば持ち家を持っていることがスタンダードという風潮が根強く残っていました。

それに加えて人口が増えていた高度経済成長期では、狭い賃貸住宅で家族が快適な生活を送るには難しく、多くの人が持ち家を求めたという日本の住宅事情もありました。

このような経緯もあり未だ日本の不動産市場の中心は新築物件となっています。

アメリカの不動産市場は中古が中心

出所:U.S.Census Bureau「New Residential Construction」「National Association of REALTORS」

アメリカの場合は新築よりも中古住宅が不動産市場の中心です。

住宅流通量の2017年では82%が中古物件、新築は18%と、ほとんどの人が中古物件に住んでいます。

そのため「マイホーㇺは中古が当たり前」というのがアメリカの常識。

その理由としては、アメリカは、日本よりもはるかに厳しく住宅建築を制限していること、アメリカ人はDIYを行うことが文化として根付いており結果として中古市場の発達、空き家の防止に繋がっています。

 

海外の空き家活用事例を紹介

ここではアメリカでの空き家の活用事例を紹介します。

フリッパービジネス

アメリカでは中古住宅を専門に買い付け、リフォームを行い売却する事業者が古くから存在しています。(フリッパービジネス)

最近は日本でも中古物件をリフォームして売買する業者が増えてきていますが、アメリカでは当たり前に認知されている業態でした。

ドミトリー

ドミトリーは日本でいう外国人旅行客に貸し出す民泊をイメージすると良いかもしれません。

1つの部屋で複数の人を受け入れる宿泊施設で、バックパッカーなど宿泊価格が安ければ物件の内装などを気にしないユーザーが多いためリフォームコストを抑えて高い収益を確保できるビジネスとして人気を集めています。

シェアハウス

海外ではシェアハウスが当たり前です。

日本では「女性限定」、「20代限定」など規則の縛りがあるシェアハウスが多いですが、他民族国家であるアメリカでは、国籍意識も希薄であるため、細かいことを気にせず無条件で入居人の受け入れを行う物件が多いようです。

売主が改修する

アメリカの場合は中古物件を売却する時に、売主がリフォームするのが常識です。

そのため購入する側としても入居してすぐに住み始めることができ、売り主も物件が早く売れるので双方にメリットがあります。

しかし、日本の空き家物件はそのまま売りにだされることが多く、結果として長期的になかなか売却が進まず損をしてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

文化的な違い、制度の違いによる理由は大きい

日本とアメリカを比較すると日本は空き家が増えるべくして増える構造になっていることがわかります。

空き家の問題をすぐに解決することは難しいでしょう。

しかし、少しずつ有効活用を進めて中古物件が当たり前、古い家をリフォームして長く使うという文化が根付けば今よりも空き家と共存できる社会に変化していくでしょう。